ようやく春めいてきましたが、今年はいつになく寒い日が続いていましたね。友人からは「白馬のリフト、1番上が雪で埋まって動かない」とメールがきたし、河津の河津桜の開花が遅れ桜まつりが2/1から3/1に一ヶ月もズレたとか。
それでも春の山では小さな花達が足元でそっと咲きだします。山歩きの時、それを探しながら歩くのが宝探しのようで結構楽しいんです。
その楽しみを始めて教えてくれた花が、「ハナネコノメ」という小さな花です。漢字で書くと「花猫の目」猫の目なんて変わっているでしょう?

実をつけた時に猫の目のように見える、というのが名前の由来ですが、花はこんなに可愛いんです。白い花びらから伸びる赤いおしべがほんとにキュート!
「かわいいなぁ」と思って見に行ったのが5年前です。咲いているところを教えてもらったのに見つからず。何度も行ったり来たりして一生懸命探しても見つからない。
ちょうどお花を見に来たらしき人たちに出会って教えてもらった花はびっくりするほど小さかった!


こんなに小さくてこんなに可愛い花がこの世にあったのかぁ~! (・_・) まさに衝撃!
世の中には、存在しているのに見えてない宝物がまだまだたくさんあったことに気がついた瞬間でした。
2月、枯葉の下では「春の妖精」(スプリングエフェメラル)と呼ばれる可憐な花達が咲き始めます。
林の中でいち早く咲きだす花が、セツブンソウ(節分草)です。2月の初めに咲きだします。
まっ白いの花びら、真ん中に濃い青い芯がありその周りを黄色いおしべが取り囲んでいます。小さな花の中に美しい色彩の世界があって、カメラでアップするとその不思議さ、可愛さに引き込まれます。

(でも実は、なんと黄色のところが小さな花びらで、白い花びらに見えるのは花を支える萼片、濃い青い所はおしべ、という不思議さ!)
セツブンソウは、どこにでも咲いているわけではなく、見に行ける自生地は少ないのです。
今回、栃木のセツブンソウ自生地、「四季の森星野」に行ってきました。本来なら幹線道路を曲がってまっすぐの一本道でいくはずが、ナビがなぜか山越えの道を選んでしまい、そこがまあ、びっくりの道でした。
この辺りの低い山は、遠目からもなんか採掘してるね!とわかる山肌なんですが、なんかそこにどんどん近づいていくではないですか!


真っ白の粉塵をあげながらやってくる大型トラックと何台もすれ違います。大型トラックも、「おっと!なんでここをキャンピングカーが通ってくるの?!」とびっくりしているのがわかります。狭い道で脇は崖。引き返す場所もなく、案外山道を走る距離が短そうなので夫が頑張って運転してくれました。
この山はすべて石灰岩でできているようで、採掘場やいくつもの工場が途切れることなく次々と出てきます。

我々は間違いなく完全にアウエイ。迷いこんできたのは明らかです。

異世界に来たような石灰岩むき出しの山の中の採掘現場。白い曲がりくねった道を上って下って、変な冷や汗かきながら、ようやく本来予定していた道に出てきたときは、正直ほっとしました。目指す四季の森星野はすぐに到着しました。

この山のふもとにあるセツブンソウ自生地は、個人で50年も守ってくださっているとのこと。入ってみると可愛いセツブンソウでびっしりと埋め尽くされていました。白い小さな花が小さな首を傾げたり、太陽を探して上を向いたり横を向いたり、まさに春の妖精が遊んでいるようです

林の中にはテントがあり、森守りのおじさんがいました。なぜここにこんなに広い自生地があるんですか?とお話を伺うと「節分草は石灰質の土地を好むんだよ」とのこと!
わかるわかる!!よ~くわかります!だって、たった今、冷や汗かきながら石灰岩の山超えしてきましたもん!


セツブンソウは石灰岩。星野で忘れられない結びつきを勉強しました!!
今回の旅で訪れたのは、以下の3か所です。どちらも春の花盛りはこれからなので、是非いらしてみてください!
1.城山かたくりの里:神奈川県相模原市緑区川尻4307。
毎年3月第2日曜から開園。開園前のこの時期はセツブンソウ、福寿草が少し咲いていて、中にお邪魔することはできます。3月中~後半、カタクリとミスミソウの咲く頃は格別です。
高尾山と城山湖、津久井湖の中間にあり、ハイキングしながらどちらにも歩いて行けます。



南鷹尾2.深谷みどりの王国:埼玉県深谷市櫛引24番地2。
公営の公園。ボランティアの皆さんの活動で四季を通じて様々な花が咲くそうです



3.四季の森星野 栃木県栃木市星野町267
個人の方が守っているところです。セツブンソウの自生地として有名ですが、春には梅やロウバイ、フクジュソウなどが見られます。