道の駅、パーク七里御浜のRVパークでばっちり電力・体力を充電して、私たちはまた小辺路へと戻っていきました。

今日はいよいよ最終日。本宮大社の朝5:30。
フラフラ歩いていたら、「エクスキューズミー」と悲壮な顔をした若い女性に話しかけられました。

「ブズ ブズ」「日本の地名らしき言葉?」英語なのかな?なまりも強くてよく聞き取れません。二人ともそれほど英語が得意でないのと、私がこの辺の地名をわかってないので、話が通じない。
でも、彼女が握りしめている紙を見たらピンときました。私が持ってる地図と同じじゃん!!
あ~ブズというのはバスの事だな!それならバス停はここよ。と、もう何度も来てすっかりおなじみになったバスターミナルにご案内しました。

バスが来るまであと6分でした。悲壮な顔をしていたわけです。丁度同じ方面に乗る方がいて、彼女をお願いしました。 危ない所でしたが、到着したバスにしっかり乗って旅立っていきました。
プチ人助け。朝いちから、ちょっといい気持ちです。
私たちもバスに乗って一昨日いた十津川へ戻ってきました。そこから今日の旅が始まります。
少し登ると、おととい泊っていた宿がよく見えました。

この日は約1000mの標高差を登りきる大変な山道なのですが、急登もなんのその。なぜなら、小辺路の中で一美しい場所、果無集落(はてなし)が出て来るからです。(よろしければ、詳しくはこちら山ブログをご覧ください)
果無、果てが無い、山深い紀伊の国の、そのまた奥の奥にピッタリの秘境感漂う名前です。昔の人、ナイスセンス!
写真で見る果無集落は確かに美しい。
でも、暗い森の中の急な坂を1時間登った先に光が差し込み、やがて明るく開けた小さな集落に出たときの安堵感、そしてこんなに山の上なのに綺麗に整えられた畑があった時の驚き、耕運機を使って働く人、小さな用水路で泳ぐ鯉、可愛く咲くお茶の花。

そんな確かな人の営みが、1時間も急登を登らないとたどり着けない、空に浮かぶような場所にあるのかと思うと、美しいのと同時にとても不思議で温かい、愛おしい気持ちになるのです。

この果無集落の驚きは振り返って見た時です。それまではまっすぐ上にある山ばかり見て歩いていたのですが、振り返ると、、わぁ!! 果無だ!確かに果て無しだ!という景色が広がっています。

感動しまくっていたら、あれ??? あっちからぞろぞろと観光客の御一行様。なに?ここ、バスで来れるの?? え~! なんと! 道路が通じてるわ!!(そりゃそうよね。今は令和だもん)

頑張ったご褒美と思っていたのでちょっと興ざめしたけれど、日本人も外国人も混ざったこのツアー客の方全員が「ワオ~」って感動しまくっていたので、10分だけ先輩の私は、そうでしょ、すごいでしょ、いいよねってな感じでほほ笑むのでした!

熊野周辺は見どころが多いけれど、果無集落は是非訪れてほしい、素敵な場所です。
さて、ツアー客御一行様に押されるように私たちはまた山道。今日のメインイベントは割とすぐ訪れたけど、この先長いのです。

この道は西国三十三観音像というのがポツポツと置かれていて、道しるべと同時に、あとどのくらいで茶屋までつくかなんてことを示していたのだと思います。今はGPSがあってほんと便利だわ~
この観音様、一つ一つ顔も衣装も、持ってるものもポーズも違ってます。みていると面白いです。



ようやく1000mの峠を登り切り、長い長い道を下っていきます。途中から日が差してきて、キラキラ葉っぱが綺麗でした。

国道という文明にたどり着いたら、ほっとして、どっと疲れが出てきました。

道に出たらバスがもうすぐ来るようなので、素直に利用させていただきました!
一昨年この道(小辺路)の最終部分は歩いているので、これにて小辺路ウオーキング終了となります。
一つ心残りは、三十三観音をずっと見てきたのに、最後のひとつだけ、道沿いではないちょっと外れたところにあって、探したけれど探せなかったこと。
おーい! 第一観音様、どこにいるのぉ??
