昨年登って疲れ果てた北岳に再挑戦。今回は小太郎山と嶺朋ルートに挑戦して凄い体験をしてきました。
4:40芦安駐車場に集まり、頼んであった乗合タクシー(マイクロバス)に乗って広河原へ。1時間近くあります。

バスの中で途中降り出した雨はすぐに上がり、曇り空の中、長い橋を渡って登山スタート。

しばらく穏やかな道を歩くはずが記憶の中より斜度があるような・・。

あれ〜こんなかなぁ、と思っていたけど、どうやらもう急登が始まっているらしい。話しながら列を作ってあるいていると景色を見なくなるので短く感じるのかな。
今回、急騰はペースを落として、道を何度も譲りながら(=プチ休憩)歩いたため、難なく白根御池小屋へ到着。

小屋前で水を補充して(無料)いざ、草滑りへGO。

草滑りは最初の樹林帯より若干斜度は劣るが、何しろ照りつける太陽が容赦ない。去年は太陽にやられてしまったが、ありがたいことに今年は雲がかかり、時々吹く涼しい風に助けられたぁ。。

草滑りは急登だけでなくお花畑が広がっていて目を楽しませてくれます。


この日も可愛いお花がたくさん咲いています。


しばらく頑張って歩くとやがて少し広くなった小太郎山分岐点へ。


ここで予定通り小太郎山へ向かったのですが、思いのほか道が良くない。ハイマツに埋もれながら前小太郎山のそそりたく崖を見て戦意喪失。女性3人はここで引き返すことにしました。
ゆっくりと肩の小屋を目指した私たち。今まで横目で見ていたお花たちを、本を片手に観察しながらのんびり進むのは至福の時間。


3時すぎに小屋に到着。あんなに晴れていたのにあっという間に雲が湧き景色は見えなかったのが残念。 生ビールで小さな乾杯をして少し休みます。

夕方に湧いた雲が少し晴れ、ブロッケンなどを楽しんだら夕飯だぁ!!
肩の小屋名物の豚肩ロースが美味しい!!ちょっとだけご飯をお代わりしてお腹いっぱいになったら眠たくなってきたので早めに就寝しました!!

2日目は4時過ぎに目が覚め、朝日を見に行きます。

朝焼けも綺麗だったけど、雲海に浮かぶ富士山もとても綺麗だった。

朝ごはんを食べたらさあ出発!!

岩稜と言っても危険度は高くないので、みな時々景色を楽しみながら登っていきます。

朝のひんやりした空気と雲海の向こうに見える景色を楽しみながら45分ほどで山頂へ。

絶景。

さあ、今日はここから古くて私には新しいルート、嶺朋ルートで下っていきます。

嶺朋ルートは今YAMAPでは破線ルートになっています。この後破線ルートの恐怖を味わいました。
まずは北岳バットレスを背に八本歯のコルを目指します。八本歯のコルは、名前の通り八本(たくさん)のギザギザとしたのこぎりの歯ようなところを通過していくのですが、鎖もないところが多く慎重に進みます。

険しい道の途中には目の前に富士山がエールをくれるようにそびえてぞくぞくするほど綺麗です!

階段がでてきたらあともう少し。
その後はボーコン沢の頭を目指して進んでいきます。こちらはのんびりと歩ける道で、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳が間近に迫り、遠く富士山を望みながら美しい姿稜線歩きを楽しみました。

さて問題はボーコン沢の頭からの道!!!

いきなり道が消えた。通る人が少なく、ハイマツに覆い尽くされたと思われます。地図とコンパスを見ながらアタリをつけて進んでいくことに。

最初、ハイマツは掻き分けて進んだけれど前の人が払い除けた枝が顔を直撃して危ない危ない。
だからといって少しでも離れると、ハイマツに隠されて前の人を見失う。2㍍離れたらアウト。「お~い、どこにいる〜」と声をかけながら進んだ。
そのうちハイマツの攻略を考え出した。かき分けるのではなく枝を踏みつけて歩く方法だ。太くしなやかなハイマツの枝は分でもびくともしない。
次の人はその枝が上に上がらないようなタイミングで続いていく。何度も出てくるハイマツの行進に登山で初めて泣きそうな気持になりました
ハイマツのあとは倒木と踏み跡、ビンクテープのない広葉樹林帯になった。

慎重に方向を確認し、道を探しながら手探りで進んでいく。

踏み跡をたどると本来のルートから外れていくこともあり、地図読みの技術が必至な事が良くわかった。
途中で見た嶺朋ルートの看板は錆びついて字も読めないくらいだ。

ハイマツ地獄→樹林帯地獄を繰り返しながら進んでいくと、途中で男性1人とすれ違った。その方は道を失い先ほど救助要請をしたと話していた。
我々はようやく行く道をつかんで歩きだしていたのでそのまま一緒に下るか聞いてみたが、要請時に元の道を戻るよう指示を受けたとのことで、その方は戻っていかれた。(バス停で姿を見かけたのでホッとした。)
長い長い道を歩き、精根尽き果てた頃ようやく川の音が聞こえ、川そのものが目視できた時には心底ホッとしました。
その後は時間との戦い。当初は2:00下山予定だったが、結局4:00少し過ぎ、最終バスになんとか滑り込んだ。
無事に帰れることの大切さ、登山の基本、いろんなことを感じる反省の多い登山となりました。

乗り合いタクシーについて:予約しなくても大丈夫だそうですが乗り切れなかったら往復して返ってくるのをまたなくてはいけないそうです(1時間は覚悟)。
また、当日の予約はしていない。帰りの便は16:00で終了だそうで、バス16:40より早く終わるそうです