滝子山は、大菩薩嶺南陵に連なる最南端、初狩、笹子2つの駅から歩けて東京からもアクセス良好、山頂からは360°の大展望。
大月市の定める秀麗富嶽十二景の一つに指定される程、富士山が美しく見える大変人気のある山です。
新緑、沢や滝、紅葉と四季を通じて美しく、難易度様々な沢山のコースがあるのも魅力の一つです。
初心者向けのコースでも、初狩駅スタート→藤沢登山口→山頂→道証地蔵(みちあかしじぞう)→笹子駅(下の地図ではピンク)のコースを始めいくつかあります。(こちらやこちらをご参照ください)

今回、私が歩いた道は、上の地図でいうと水色の道。
登りが中間尾根という短いけれどマイナーでワイルドなバリエーションルート、下りはすみ沢沿いの道を通り、道証地蔵(みちあかし)から桜森林公園へ下る一般的なルートです。
行きと帰りの二つのルートは、難易度も見える景色も、同じ山を歩いたとはとは思えないほどの違いがありました!
今日は車で行ったので、1台目は桜森林公園駐車場にデポ。

2台目は中間尾根の近くに、と思ったら倒木で道が通れず、1台目とあまり変割らない林道のくぼみに停めさせていただきました。ただこの道は大変な悪路なので、最初から1時間林道歩きと決めた方が良いかもしれないなぁ。

(もしくは駅から歩くか、笹子駅からバスで白野下宿バス停7:40ごろに着くというよさげなバスもあるようです。)


兎に角、車を停めたあたりから歩くこと約40分。 寂ショウ尾根の看板が出てきた。滑落事故があったそうで、「ここは登らないように」とほぼ消えかかった看板には書いてあります。


トレランの2人がワシャワシャと寂ショウ尾根の急坂を元気に登って行かれました。
地図でいうと滝子川(川というより沢っぽい)を過ぎたあたりが中間の根の取り付きです。よ~く目を凝らしてとりつきを探してくれたのは、この山何十年という滝子山マスター。
初めての人ではなかなか見つけられないかもしれない中間尾根の取り付き。 えっ、ここ登るの?という超・超激坂を這いつくばるようにして登っていきます。

根っこをつかみ、たまにあるロープをつかみ、落ち葉に足を取られながら登っていきます。踏み後が非常に薄く、けもの道と何度も間違えそうになる。1時間ちょっとでようやく尾根に出ました。

尾根に近づいた辺りから、きれいなミツバツツジが咲き始めました。

最初は大喜びで写真を撮っていましたが、この後、山頂までずっとミツバツツジの咲く登山道でした。
尾根道はところどころ大きな岩がゴロゴロして、角度も急です。
険しいけど躑躅はきれい。 飴と鞭状態です。

途中、桧平という平らなところで一番人気の子神社から登ってくる桧平コースと合流。


女坂・男坂を選んで登り、林道歩きを含め、最後岩をよじ登り、登り始めから4時間で山頂に到着しました。そして、そこには疲れを吹き飛ばす美しい富士山が!

三つ峠山など御坂山塊の山々を従え、うっすらと春霞のベールをまとった富士が浮かび上がっています。なんてきれいなんだ!

くっきりとして他を圧倒する富士もかっこいいですが、今日の富士は優しい富士山でした。
水墨画のような、少し儚げな美しさでもありました。

山頂標識がいっぱいあったので写真撮影が忙しい!! 下の写真は滝子山から見下ろす初狩、大月方面です。谷底に町が広がっているのがよくわかります。

お弁当を食べてたっぷり富士山を眺めたら下ります。
下りのコースは、登りの激坂が信じられないほど緩やかで、しっかり整備された歩きやす~い道でした。

途中からすみ沢という川が流れています。名前の通りとても澄んでいます。川のすぐ横を歩いたり、川がはるか下に見えたりをくり返りながら、のんびりと下っていきます。

水や陽だまりが好きな花がたくさん咲いていました。一部少し足元が狭くて柔らかくて崩れそうなところがありましたが、それ以外は疲れた足にとっても優しい良い道でした。


滝子山マスターによると、滝子山はヘルメットや、ロープの必要な登山道もあるそうで、コース取りで山の難易度は全く異なるのだと、よい勉強になりました。
下山後は道の駅甲斐大和でお疲れ様。
今日も良き1日となりました。最後までご覧いただきありがとうございました。